希望

息子に歌を歌ってあげる時、あまりにも歌詞が出て来ないので、私が子供の頃、楽しんでいた古いレコード付きの童謡の本を母が大切に保管していてくれていたので、拝借してきた。私の記憶にも鮮明に残っている。さすがにレコードは聞けないが、各歌のページ一面に印象的なイラストが付いているのでそれを見ながら歌ってあげると息子も大喜びで上機嫌★ただ、時代が古く『かわいい魚屋さん』なんて、息子の知る魚屋さんと言えば、スーパーの魚売り場なので、イラストを見ながら歌ってあげても不思議そうにしていた。


乗り物好きの彼は特に『汽車ポッポ』をすぐに気に入り ♪ポッポ ポッポ シュッポ シュッポ シュッポッポ〜 ♪のところを真似て歌っている。息子と楽しく歌っている時、特に三番の歌詞中の『明かるい希望が待っている 走れ 走れ 走れ 頑張って 頑張って 走れよ 』という部分が前向きで良い歌詞だねと呟くと夫にすかさず!「それは高度経済成長期の話しでしょ」とツッコミが入りました。


確かに。
Wikipediaによると、昭和13年に汽車に乗って出征する兵士を見送る内容で作詞され、その後昭和20年に、NHK紅白歌合戦で歌われる事が決まり、終戦後の時代にあった内容への改作を依頼され作詞家ご自身が改められたそう。

こんな背景があったとは知らなかった。この歌を知らない人も多いのではないかと思う。そもそも蒸気機関車が日本では、もう普及していない事も、子供にどうやって説明しようかな〜などと呑気に構えている私に、夫はおそらく「ただ、ただ頑張れば良い時代」は終わったのだよと言いたかったのだろう。


グローバル化が進み、人の価値観が多様化した現在は、子育てについても私たちの頃とは随分様子が違う。教育に関しても様々な選択肢があり過ぎて、本当に悩んでしまう今日この頃。

ものが溢れ、何でもあるこの国。希望だけが見え難いこの国。でも子供とは素晴らしい。なぜなら臆する事無く未知なる何かを常に探し求め、親に挑み希望を与えてくれるから。